Outdoor Outfit Cafe

『Outdoor Outfit Cafe』メールマガジンの登録・解除はこちらから

■ 富士山に登ろう ■


会社の女の子に「夏にお父さんと一泊二日で山小屋に泊まって富士山に行くんだけどなんかいいアドバイスない?」と聞かれて、書いたメールです。実は富士山に登った事がないので、一般的な山歩きの事と、富士山について調べた内容を混ぜて書いたものです。僕としては、まあまあまとまってるかなと思ったので(えー私は自分を誉めちゃうナルシストです。ハイハイ。)、加筆、変更をしてHP用にしました。


以下が送付したメールです。


1回こっきりの山小屋利用の富士登山と言うことなので、内容はあくまでお金をかけない!アドバイスです。
本格的にやるなら、専門の本がありますので、本屋さんへGO!

●装備編

-靴-
登山靴があればそれに越したことはないと思いますが、そんなのあるわけないよな〜。履き慣れた運動靴から選ぶなら
以下の靴を選択するのがいいんじゃないかと思います。

1.ハイカットモデル(くるぶしまでの高さ)の靴。 捻挫予防や、小石、ジャリの侵入を防げる。ただ捻挫予防を期待するなら、
 靴の一番上の部分にパッドがあるやつじゃないと期待薄。(昔、はやった コンバースのバスケットシューズじゃ上がぺなぺなだから無理。)

2.右手で靴のつま先部分 左手でかかと部分を持って、ぎゅうーっと靴を
 押しつぶしてみて底が「へ」の字に曲がらない靴。
 底(ソール)が硬い靴なら地面が多少でこぼこしていても、安定した着地が
 できる。反対にソールがへなへなだと、地面のでこぼこに沿って、素直に足の裏が
 曲がってしまう。足の軸線(人差し指とかかとを結んだ線上)方向で曲がると
 捻挫します。

3.ソール(靴底のゴム部)の溝が深い靴
 タイヤの溝と一緒。でこぼこな地面へのグリップ力がある。

もし、履き慣れた運動靴が一足しかないなら、上記1〜3はなかったこととして、その靴を履いていってください。間違ってもハイヒールとかおしゃれをしていかないように(しゃれにならないから)。

-ザック-
もし屈強なお父さんだったら、シェルパ代わりに利用して、自分は身一つで優雅に登るという手もありますが、得てして女性と一緒登る男性は、張り切りすぎるきらいがあるので(とても判り易い男のサガ)、いつものお父さんの体力を考えて、荷物分担をして、それに見合うザックを用意すればいいと思います。
普通 山小屋泊まりの場合、30〜45リットルぐらいの大きさのザックがいいと言われています。このぐらいの大きさになると、ある程度の重量に耐えられる縫製でないといけないので、ディスカウントストアで売っている無名メーカーやコピー品は、避けた方が無難です。概してストラップ(肩掛け部分)の付け根が弱く、重量が掛かると切れたり、ほころびたりします。登山途中で、ストラップが切れたりしたら登るのが大変です。ここは多少高くても、専門店で買った方がいいかな。店員さんに相談すれば、良さそうなのをいくつか見繕ってくれます。
お父さんと一緒に買いに行けば、お金を出してもらえるかも。ただし店員のお兄さんと楽しげに話しすぎると、お父さん 機嫌が悪くなるので、そこはいつもの甘え上手を遺憾なく発揮して、うまく事を運ぼう。
店員さんに薦められるたザックの中から選ぶ場合は、できるだけウエストベルトがしっかりした物がいいです。「このピンクかわいいー!」なんて、くれぐれもデザインで選ばないように。


-服装-
・富士山頂の7月の平均気温は4.8度、8月の平均気温は5.8度。朝晩はもっと冷え込むので、フリースを持っていくことを薦めます(本当は薄手でコンパクトになるダウンジャケットがあると嵩張らず便利。
ただ、下から登っていくので、標高の低いところや、 行動時はかなり暑い。防寒ばかりに気を取られないように。
 なるべく汗を溜め込まない服(ナイロンやポリエステルの入った混綿)ならば、
 汗が冷える休憩中に寒い思いをせずにすみます。ユニクロや大手スーパーでも、
 速乾性と銘打ってこの手の服や下着がありますので、一度覗いてみよう。なかにはUVカット機能なんてのがついた奴もあります。お肌の曲がり角の次の曲がり角に、差し掛かっているようなら、これも選択肢に入れておこう(ただしチョット割高)。

・パンツは、綿は避けるべき。乾いている時はいいけど、濡れたら乾きが遅いし、体に引っ付いて動きにくい。安く上げるなら「ジャージ」。ジャージでっせ。元々スポーツ用に出来ているんだから……。でもこの頃山で履いている人は少ないし、まして、うら若き乙女となると皆無だろーな。一番は化学繊維オンリーまたは混綿のイージーパンツ(ウエストがゴムタイプの少しゆったり目のパンツ)があれば、それがいい。

・レインスーツ(ジャケット+パンツ)は必需品です。間違っても、野外イベントで
 300円ぐらいで売られている、透明ビニール製のレインコートなんか持っていかないように、
 強風が吹いたら、ボタン周りがすぐ切れます。
 本当は通気性が良く蒸れない素材(ゴアテックスなど)で出来ているのがベストだけど
 はっきり言って高いです。上州屋などの大型釣具店で安いジャケット+パンツが売って
 います(おしゃれじゃないのは、いうまでもない。)。
 300円のレインコートなんかに比べればまし。蒸れるので、自分の汗で濡れるけど、雨に打たれるよりかはいいと思う。

・乾いた靴下をはいていれば、マメができにくそうです。靴下の予備は多めに、
 持っていくのが得策です(山小屋で靴下がくさくて、嫌われ者にならないためにも)。

・忘れがちなのが手袋。そんな重い物でないので、持っていって損はありません。綿よりもアクリル製の方が乾きが速い。滑り止めのゴムがついていればなお良しです。

-食料-
 山小屋泊まりということなので、それほど持っていかなくても大丈夫だけど、
 歩きながらパクパク食べられる、クッキー、チョコ、ナッツ類。
 非常食としてハイカロリーな、カロリーメイト、サラミソーセジ、氷砂糖などを
 用意しておけばいいと思います。
 非常食を歩きながらパクパク食べて、非常時にないなんていうことがないように、
 必ず行動食と非常食は分けておこう。
 昼飯はお腹が空いた時に、最寄の山小屋で食べればいいと思います。
 お腹が空いて最寄の山小屋まで登れない時はどうするか?
 下って下の山小屋で食べよう。

-薬-
最悪のことを考えたらきりがない持ち物。適当にみつくろって持っていこう。
ただ経口薬は飲み慣れたものを持っていくように。
僕がよく持っていくのは、以下のようなもの。参考までに

・ばんそこ
・ウェットティッシュ
・靴擦れ防止シート
・テーピング
    捻挫やひざを痛めた時に、あって良かったと思うもの。ここに使い方がのっているよ。使い方の小冊子を置いているスポーツ用品店もあるので、それがあると便利。    
・バンダナ
    包帯、三角巾がわり
・針とライター
    足にまめができたときに使用する
・抗ヒスタミン系軟膏
    擦り傷、切り傷、虫刺されに効く軟膏のこと。
    ただ、富士山ぐらいの高山になるとあまり虫刺されはないと思う。
    多分、虫除けスプレーはいらないと思うけど、娘に悪い虫がつい
    ちゃいけないとお父さんが携帯する場合は、気の済むようにさせてあげよう。
・非ピリン系風邪薬
    非ピリン系なら眠くならない。ただこいつのお世話になる時は、
    登るのをあきらめた方がいいです。
・正露丸
     何はなくてもこいつは絶対に携行しています。完全にお守り化
     している。臭いが気になる人は、糖衣がお勧め。
     どちらにしても登っている最中に何かの拍子でふたが開いて
     しまうという悲しい事故を防ぐためにも容器ごとビニールに入れてます。

●行動編

・まずは、装備一式をザックつめる。濡らしたくないものは、ビニールで防水対策をしながら分類する。コンビ二でもらうビニールを使用するときは少し注意が必要。夜中にザックの中から物を出さなければいけないときに、ガサガサと音が立っちゃって山小屋の嫌われもんさんになってしまいます。
 濡らしていいものは、あみあみの洗濯ネットで分類する。洗濯ネットは中身が見えて便利。それに軽い。100円ショップに行けば、色々な種類があるので、大きさ別に2〜3種類持っていると、荷物の分類がしやすいです。

・荷作りができたら、行く前にザックを背負って2〜30分予行演習をしよう。左右のバランスが悪かったり、背中に硬い物が当たったりと、結構問題が出るものです。なにより、この重さの物を3776mまで持ち上げなければいけないと思うと、荷物を減らすか、または体重を減らす気になるんじゃない。
 
・現地に着いたら、スタート地点の山小屋で杖(富士山名物の木製の杖)を買おう。杖は、歩行のサポートをしてくれるし、各合目にある山小屋で焼印をしてくれるので(でも有料。しっかり商売しています)、いい記念になるはず(途中で登頂を断念すると全ての焼印がそろわず、ちと寂しい。)。
手で掴む部分には、ホームセンターで売っている、引き戸の隙間テープなどの発砲ウレタン+粘着材のテープを巻いて保護しておくと、マメ防止になります(軍手だけでも何とかなります。)。

・準備万端整ったところで、さー登ろう!という前に、まずは準備体操。準備体操と整理体操をやるのと、やらないのでは体のダメージが違う。特に足首、ひざ、太ももあたりは入念に。

・靴紐は登りは靴の中で足が踊らない程度の緩め、下りはきつめにするのが鉄則だよ。特に下りは靴の中で足が滑りやすく、その摩擦熱でマメができやすいので注意が必要です(何かの本で読んだんだけれど、
マメは火傷の一種だそうです。)。靴の中で足が踊っているようなら、靴下の2枚重ねにするのがいいんじゃないかな。

・50分歩いて、10分休むのがいいなんて言うんだけど、こんなの目安。疲れたら休めばいいと思う。だけどできるだけ規則正しいリズムで、歩行、休憩を繰り返すのがいいと思う。
長く休憩を取るとその後歩きたくなくなるから、短時間の休憩をこまめにとる方が絶対にいい。
また、登るのが遅い人(君かな?)を先頭にしよう。後ろにするとどんどん差が出来てしまい、早い人が無用な休憩(遅い人が来るまで待つ)を強いられます。遅い人のペースにあわせよう。

●山小屋編
・「お父さん用」と書いた洗濯バサミに、かわいいリボンをつけて持参する。山小屋に着いたら、「ハイお父さん。靴にこれつけて下駄箱に入れておけば、間違われないで済むよ。お父さんのために作っておいたんだ」なーんていいながら渡せば、もうお父さん 目がウルウル状態になっちゃって、乾杯のビールはおろか友達用と言いつつ実は彼氏用のお土産代まで おごってくれちゃうから。ちょろいぜ とうちゃん! 
あっ自分用の洗濯バサミも忘れずにね。山小屋では靴の間違いが結構多いので、目印があると間違われずに済みます。
・女性の着替え場所が確保されている山小屋と、ない山小屋があるので、できればポンチョを持参すれば、それをかぶって着替えが出来ちゃう。どっかのスキー場でポンチョを買ったことない?あればいいんだけど、なければわざわざ買うのもなんだし、布団の中にもぐって着替えちゃおう。
・ハイシーズンの山小屋では一畳に3〜4人で寝るのもざらだそうです。夜中にトイレに行って帰ってきたら寝る場所はないらしいです。僕は超混みの山小屋泊の経験がなく、そういう目にあったことがないのでよくは知りません。とりあえず覚悟が必要です。
 寝る前に枕もとに、水筒と懐中電灯(眼鏡使用の人なら眼鏡も)を用意しておくと便利です。
・前に山小屋の人が、布団の下に忘れ物が案外多いって言ってた。次の日の朝、必ず布団の下をチェックしておこう。

●身だしなみ編
・富士山には水源がなく、水は貴重品です。歯磨きはリステリンがお勧め。ちなみにマツモトキヨシには、シャンプーシートっていう、髪拭き用のおしぼりみたいなシートが売っています。謳い文句は洗髪と同じ効用となってたけど、イマイチでした(ついつい買ってしまう私)。
・忘れちゃいけないのが、日焼け止めクリーム。平地にくらべて紫外線が強いので、いつも使っているのより強めの日焼け止めがいいんじゃないかなー(日焼けなんかへっちゃらよ!なんて強気なお歳ではないんだから)。
・フィルムケースにベビーパウダーを入れておき、こまめに足につければ、いつでも足サラサラ。発汗も抑えるから、足の臭いも軽減できます。ドラッグストアでスプレータイプのパウダーを買うのもいいけど、ちょっと嵩張るかな。

●サバイバル編
最後に一番大事なことを二つ。

・富士山で自分の身を守るもの。それははっきり言ってお金です。今のご時世、お金さえ積めば70過ぎのおじーさんでも、エベレスト登頂ができちゃう時代です。
 まして夏の富士山、各合目に山小屋がある富士山、視界が開けていて道に迷うこと自体が難しい富士山、超メジャーでうじゃうじゃ人がいる富士山、お金さえあればなんとかなります。そうこの世はお金次第。実も蓋もない現実。
 とっても重要な部分なので、男であるお父さんに受け持ってもらい、大いに頼ろう(山の上の物価は、地上の2〜3倍!)。

・もし、軽い高山病になったら、山小屋で缶入り酸素(簡易酸素ボンベ)を購入しよう。間違っても「富士山の空気」って言う、空缶の蓋を付け替えて、富士山のシールを張っただけの記念品を買わないように。中身は
その場所の空気だから、気圧は同じです。吸ったところで何の意味もありません(「富士山の空気」は山小屋で出た空缶を下界に持ってってもらおうと、考え出された記念品)。
この頃はコンビにでも売っているから、買って持っていけば安心だけど、荷物になります。いるか・いらないか定まんない物で、現地調達できるものは持っていかない方が、身のためです。

それでは、
お父さんと楽しい山登りを!


© Outdoor Outfit Cafe  Since 2005.dec. All Rights Reserved.

















inserted by FC2 system