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■ 野外でトイレ…… スコップ ■


切羽詰る、油汗が出る、開けた長いトレイル、人気コースで前も後ろも人・人・人、次の山小屋までまだまだ先。長くアウトドアをやっていると一度や二度は、 どうしたらいいの?でもどうしようもない状態のために(自分の体なのにいうことを聞かない。)、お花摘みやきじ討ち(注1)を体験したことありません(私だけ〜? Byだいたひかる)?

大自然にいだかれたトイレ(または野○ソ)のお作法に、キャットシステム(Cat System) というのがあります。猫もやってる方法という意味ですが、アスファルトジャングル 都会の野良猫はやっていない奴もいる。確かにいる。絶対にいる。頭にくる。っと、ぼやいても話は進まないので、とりあえずこのキャットシステムのご説明。工程は次の6ステップ。


Step1:切羽詰る前に早目に準備する。

噴火だってある程度予知できる、このご時世。自分の事を予知できなくてどうする(随分乱暴な例え方だなー)。おなかの調子がおかしいなーと思ったら、いつ噴火がきても大丈夫なように、ティッシュは取り出しやすい位置にあるか?人目につかないよさそうな場所はないか?一緒に歩いているあの子にはなんて言おう? 早目に準備をしておこう。


Step2:慎重なロケーション選び

まずは目立たない場所。間違っても景色のいい、開けた場所でやりたいなどと考えないように。火気を使用しても危なくない場所。苔は成長するのに長い年月が掛かるので、苔むした所では止めよう。出来る限り水場(沢や谷)から離れよう。できれば50m以上。そうすれば、水を汚染する可能性は低くなります。


Step3:致すための穴を掘る

浅ければ野生動物に掘り返されるし、深ければ微生物が少なく、あなたのものはいつまでたっても分解しにくい。20〜30cmぐらいの深さがいいです。簡単に20〜30cmなんて言っているけど、石があったり、草の根っこが邪魔したり、すいすい掘れるとは限りません。穴を掘るのに精一杯で間に合わなかったなんて墓穴を掘らないためにも(山田く〜ん一枚)、早めの行動、慎重なロケーション選びは重要です。


Step4:しゃがむ前に、今一度振り返る。

はやる気持ちを抑えて、今一度、掘った穴の周囲を確認する。
突き出した枯れ枝があって、しゃがんだ時にお尻に突き刺さったりしたら……。
自分のかわいいお尻を守るためにも、振り返ろう。


Step5:ティッシュを燃やす。

ティッシュは地中で分解しづらいので、そのまま埋めるのにではなく、燃やしてから埋めてください。してすぐブツの上で、ティッシュを燃やせば、ブツの表面が炭化するので、虫の寄りを防げます。もしあなたが不幸にもティッシュがなく、不浄の左手で拭くしかなかった場合は、このStepは飛ばしてください。


Step6:目印をつける

最後に元通りに埋めて、人為的なマーク (例えば、枯れ木の枝など棒を近くにつき刺して立てておくとか、埋めた場所の地面の上に木や石で×印を書く)をつけておこう。人間考える事はみな同じ。あなたが選んだ location は、他人にとっても good locatino !(かも知れません)。
掘り返される分には、痛くも痒くもないけど、切羽詰っている時に人様のを掘り返してしまった場合 「BINGO!」 とオチャラけている精神的余裕はないと思います。人様のためにマーキングを忘れずに!!


僕は、穴を掘る時にDigDag社製の折りたたみスコップ(シャベル)を愛用しています(外で遊ぶたんびにいつも、お世話にはなっているわけではありません)。ステンレス製で、取っ手が約8mm径の線材で出来ていて、この取っ手をぎゅっと握ると、ロックが外れて折りたたむことが出来ます。丁度、公民館なんかにある、座いす用長机の足の折りたたみ方法と同じです。丈夫で少しぐらい凍っている土でも難なく掘れます。コーデュラ・ナイロン製のケース付きです。

チタンで出来た小さい雨どい状のものや、プラスティック製のものも売り出されていますが、いまいち強度に??と言う感じ。僕は、緊急時には頼れるものを使用したい(^^)。
ただ、チタンやプラスティック製の物は軽量です(DigDag社製のスコップはちと重い)。バックパッキングでは、この軽さは捨てがたい。軽さをとるか、信頼性をとるか……正解は、その時判ります。



近年、山のオーバーユースが問題になっており、トイレもその問題の一つ。山ではむやみやたらとするのは環境破壊ですが、どうしてもっという時は人間誰しもあると思います。そのときはマナーを守り、みんなできもちのいい山を保ちたいですね。

「早池峰(注2)にはゴミは似合わない実行委員会」という団体は、オーバーユースでたまった早池峰山頂トイレのし尿の担ぎ下ろし活動を、続けているそうです。いつの日か、自分の出したものは自分で担ぎ下ろすのが、義務化されるかもしれませんね。そうならないためにも、出来れば山麓のトイレで事を済ますように心がけたいですね。

関係ないですが、かの実行委員の方々は、汲み取り・担ぎ下ろしの前に昼飯を済ませておくとの事です(当たり前か)。メニューは、毎回 カレーうどん! だそうです。



注1:色々な表現方法はありますが、しゃがんでやるアレ。そう野グ○。

注2:早池峰(はやちね) 標高1917m。 東北の北上高地で一番高い山。


参考文献
どうする山のトイレ・ゴミ  日本勤労者山岳連盟編  大月書店


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